統計をみて分かったこと思ったこと

温暖化の話(横浜の場合)


平均気温は100年で何度上昇したか?

気象庁のホームページ http://www.data.jma.go.jp から横浜市の平均気温のデータをダウンロードしたので、図解してみた。
地球温暖化といわれて久しいし、体感的にも何となくわかる。子供の頃は雪の日がもっと多かったように思う。いったい地球(横浜)はどれぐらい「温暖化」したのだろう。自分で確かめてみることにした。



 
      平均気温の推移(明治から平成まで)



1897年(明治30年)から2014年までの年間の平均気温は左の図のとお
り。上ったり、下がったりとジグザグに推移しているが、全体を見ると明らかに

右上がり!
明治時代は14℃の前半、大正期は0.5℃程上昇している。なぜか、昭和に
入って1945年(13.5℃)ぐらいまで元に戻ったように見える。その後、上昇を続
け近年は16℃程になっている。
終戦後(1945年〜)を回帰分析する(図の赤線)100年で2.8℃程上昇して
いる事になる。

体温が3℃近く上ったら、医者通いしなければならい。
地球だって、生態系は崩れるだろうし、何とかしなければならい。







    平均気温の分布(明治から平成まで)


左の図は4つの期間毎の平均気温の分布(ヒストグラム)
水色の棒(と言うか、長方形)の高さが一番高いのは
  1897〜1926年 は 14.0〜14.5℃
  1927〜1956年 も 14.0〜14.5℃
  1957〜1986年 は 15.0〜15.5℃
    1987〜2014年 は 16.0〜16.5℃
時代が進むにつれて右にシフトしているのが分かる。
平均気温が高くなっているという事だ。

(因みに、ヒストグラムは棒グラフと似ているが棒グラフのように高さで数量を把握するのではなく、長方形の面積で数量を把握する) 縦軸に数量(頻度)が書かれるのが一般的だが、左のヒストグラムは確率密度にしてある。
横軸は平均気温を0.5℃毎に区切っているので、縦軸の比率に0.5を掛けてあげれば、その気温帯の全体に対する比率が分かる。
たとえば、1987〜2014年で16.0〜16.5℃であった年数は縦軸(小さくて見えないが)0.857142なので0.857142x0.5 =0.428571 (42.857%) .1987〜2014年の28年間に12年は(42.857・・%)平均気温が16.0〜16.5℃だったと読みます。 15.5℃以上の3つの長方形の面積を足すと89.3%になるが、1987〜1926年では1回もなかった。(上の折れ線グラフを見てもわかるけど)
     最高気温 と 最低気温


上記は年間の平均気温ベースだが、最高気温・最低気温の推移はどうなっているのか?
最高気温と最低気温(各年の月間最高気温と月間最低気温の最大値・最小値)の推移は左のとおり。最高気温と最低気温の差を下図に書いてみた。右肩下がりになっていて、その差が縮小しているのが分かる。

最高・最低気温の双方が上昇しているが、最高気温の上昇率より最低気温の上昇の方が高い(上図:直線の傾きは最低気温の方が最高気温より大きい)ようだ。
夏も暑くなっているが、冬の方が寒さが穏やかになっている(温かくなっている)ということかな。








     多項目の相関 



左図は、湿度・日照時間・最高気温・総雨量の各項目間がどのような関係があるかを示したもの
図の左上から右下の対角線に各項目の分布を図示している。
その左下の点々(と黒い○と赤の線)は、各2項目の各年のデータをプロットしたもの。たとえば、一番左列の3行目は湿度と最高気温の関係。
右上の数値は各項目間の相関係数(1に近ければ正の相関、0に近ければ無相関、-1に近ければ負(逆)の相関)。湿度と最高気温はマイナス0.68で負の相関(最高気温が高い時は湿度が低かった)。日照時間と総降雨量は−0.41で負の相関、これは何となく分かるような気がする。
その他はあまり関係がなさそうだ。







    気温 と 湿度 の関係



平均気温(上述の図は最高気温)と湿度の各年データをプロットしたものが左図。相関係数はマイナス0.6797 で負の相関関係がある。
 (青線は回帰線と信頼区間)
何年ごろのプロット(点)が分かるようにに色をつけてみた。
1897〜1926/1927〜1956は左上(高湿度・低気温)、1897〜2014年は右下(低湿度・高気温)にプロットされている。昔は今より湿度が高かったのだ。

太平洋側に住んでいると、西高東低の冬型の気圧配置で寒い冬は空気が乾いて、夏は蒸し暑いという感覚があるけれど、寒い冬は飽和水蒸気量が低くて相対的に空気の中の水分が増える(相対的に湿度が高くなる)という事らしい。
因みにを4日間前からの1時間毎の湿度・気温をプロットしてみたら下図のようになった。(現在:2015-08-26 14時頃)(気象庁のホームページデータ(横浜)) 暑い日が続いたが今日は肌寒いので湿度もかなり高くなっているようだ。高温の昼間は(相対的に)湿度は低く、気温の下がる深夜・早朝は湿度が高くなっているのが良くわかる。