今までサッカー・野球などに押され気味だったラグビーも五郎丸選手たちの活躍で大人気のスポーツになっているようですね。何しろ巨漢の選手がぶつかりあうのは圧巻です。まぁ普通の人であればあの体でぶつかられたら数メートル飛ばされそうです。調べてみたら五郎丸選手は体重95kg・身長178cm。ラグビー選手としては平均的ですか。体重が一番重いのはパナソニック ワイルドナイツのアライモアナ・モツアプアカ選手で138kg(191cm)、身長が一番高いのは神戸製鋼コベルコスティーラーズのアンドリース・ベッカー選手、208cm(121kg)でした。いずれも外国人選手。
という事でサッカーやプロ野球選手も含めてもう少し詳しく調べてみました。ラグビーは2015-16年のトップ16リーグ(JRFU 日本ラグビーフットボール教会)データ、サッカーはJリーグ(J1)(Soccer Kingサイト)データ、野球はセパ両リーグ(NPB日本野球機構)データの登録選手(2016年3月14日時点)のデータです。
- 野球とサッカーは明らかに普通(各月12分の1 : 8.3%)と違う。特に野球はフツウではあり得ない凸凹
- ラグビーは各月の凸凹が22%ぐらいの確率で起きる事がある。
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選手の身長と体重は?
サッカー519人、ラグビー614人、野球797人、合計1930選手のデータを見てみました。平均でいうと身長180cm・体重84kg。さすがアスリート、皆さん大柄のようです。がデータのバラツキを示す指標(標準偏差)が大きい感じです。で、スポーツ別に見たら右図のようになりました。身長は178~181cmぐらいで大差ないのですが、体重はサッカー72kg、野球83kgで、ラグビーは何と96kgです。
何となくそんな気もしていましたが、ラグビーが重くてサッカーが軽い。サッカーは身長もやや低めで3種目の中では小柄タイプという事でしょうか。
スポーツ音痴で良くわからないのですが、ポジション別(役割別)に違う?と思いこれも分解。それが下の図。
サッカーのゴールキーパーが一番ノッポ。一番軽くて低いのがやはりサッカーのミッドフィールダー(MF)でした。この図で目立つのがラグビーのフォワダー、身長183cm・体重105kgです。
野球選手はピッチャーがやや高めですが、中庸って感じですかね。
スポーツに詳しい人には「そんなの当たり前だろ」と言われるかもしれませんが。
表の下の黄緑色のボタンを押すと身長・体重それぞれのランキング1~3位の選手がわかります。
身長・体重の分布
平均値を見てもあまり意味のない事が多いので、身長と体重がそれぞれどんな風にバラけているかの(ヒストグラム風)グラフを描いてみました。↓ マウスでマーカーを触ると細かい数字が見れます。まず[身長]3種目とも約半数の人が171~180cmです。そして身長181~190cmの人が3~4割。野球選手では161~170cmがやや少ない分181~190cmクラスがやや多め。サッカーはその逆ですね。次は[体重]3種目、かなり形が違います。サッカーはやせ気味。ラグビーはふとり気味が見て取れます。特にラグビーはバラツキが結構大きいですね。110~119kgの人が3割もいます。さすが!
やせ形?太り気味? 年齢は何歳ぐらい?
右の図(いちおう散布図)は横軸に平均年令、縦軸に平均BMIにおいてプロットしたものです。BMIというのは解説を読むと
【BMIは「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」で求められます。
BMI値の判定基準は一般的には、18.5未満で「やせ」、18.5以上25未満で「標準」、 25以上30未満で「肥満」、30以上で「高度肥満」と判定されます。
しかし、最近の研究で、中高年では必ずしもこれが当てはまらず、「やや太めの方が長生き」ということがわかりました。】
とありました。
という事は図の赤・青の点線の間が「肥満」青点線の下が「標準」という事になります。 サッカー選手は「標準」、野球は「肥満ぎみ」、ラグビーはもうちょっとで「高度肥満」になりますね。平均年令(横軸)は若い方からサッカー・野球・ラグビーの順です。もっとも1~2才程度の差ですが。
ポジション別に見ると左のとおりです。ラグビーのフォワード(FW)は「高度肥満」に入っています。サッカーは全てのポジションで「標準」のド真中。
青い直線は各点の真中ぐらいを走る線です。回帰直線と言います。これを見ると1才年をとるとBMI値が3ポイントぐらい上がることになります。ほんと?一方、赤い直線は1930名の全選手の年令とBMIを個別にプロットした時の真中を通る線です。少~し右上がり(1才年をとると0.15ポイントぐらいBMIが上る)ですが、ほとんど変わらず、年令とBMIはさほど関係ない?どちらも統計的な数値としては95%の信頼性があります。
でも青線の方は10コのポジションに分けた平均値ですから、確かに平均値が1才上がると・・という意味になります。平均値議論って結構怖いと思います。数字に騙されないように気をつけましょう!
左の図はBMIの分布です。体重の分布と似てますね。(計算式から言って)身長が3種目同じような形をしてので想像できます。
年令の分布は左下の図です。ラグビーは社会人チームなので23~25才が31%を超しています。いずれも20才台がメインですね。
右下のグラフは35才以上の選手の比率です。たとえば橙色・野球選手のうち35才以上は7.8%、38才以上であれば2.4%と読みます。グラフで見る限り野球が選手寿命が一番長くサッカー・ラグビーと続きます。それにしても40才までにほぼ全員(残っているのは1%)退役というのはやはり厳し~い世界ですね。
誕生月は何月?何月生まれが多い?
上のグラフは選手の誕生月の分布です。たとえば一番左(緑色)はJリーガーの中で1月生まれは100人中6.2人だったと読みます。月別にだいぶ差があるように見えます。早生まれの人は少ない?実はこの現象、統計学の本なんかにも出てくる話です。早生まれは同学年の中では体力的に劣るからとか。でもラグビー選手はグラフを見る限りあまり差がないようにも見えますね。という事でちょっと統計学的な計算をしてみました。偶然こういう月別の凸凹になったかどうかを確かめる事で「検定」といいます。とりあえず、1~12月まで生まれてくる数は一緒という前提(実際は年ごとに違うのですが、ちと面倒なので各月12分の1としました)
結果は
でした。
同じ名字が多いのは?「斎藤さん、ピッピィ」は?
サッカーの五郎丸選手。珍しい名字ですね。舟のなまえかと思いました。名字由来netというサイトでみたら全国に990名ぐらい(名字の多い順位では8,288位)居られるそうです。因みに一番多い名字は「佐藤」次は「鈴木」「高橋」「田中」と続くらしい。お笑いの「さいとう」さんは「斎藤」19位、「斉藤」41位だそうです。
そこでスポーツ選手の名字で多いのは?と表↓を作ってみました。一番多いのは「田中選手」(赤)。合計で20名、全国で4番目に多い名字です。サッカー選手519名の中で4名(黄緑)います。一番右の確率の欄(黄緑)は、「田中」という姓で519名中4名が出現する確率です。(8割強の割合で4名居てもおかしくないという事)
そうしてみると、13番目の「高木選手」がサッカーで7名もいるのはわずか0.003%ととても珍しい事なんです。スポーツの場合、兄弟で選手という事も少なくないので何とも言えませんが。
Jリーガーの出身地はどこ?ジモト主義は?
出身地のデータはサッカーしかなかったので、ここからはサッカーの話。
右下の表はJリーガーの出身地です。日本出身者だけ左に地図にしてあります。出身者が多いのは関東・東海地方に集中しているようです。四国・東北は一概に少ないようです。香川・高知・福島県は一人もいませんでした。外国人はほぼ1割程度いますが、ブラジル出身は28名、韓国12名とかなりの勢力です。

↓の表。チーム別に本拠地の出身者の比率・外国人の比率を整理してみました。
チーム別に本拠地の出身者が3割以上いるのは神奈川・東京・静岡・大阪。ことに「横浜F・マリノス」は43%と圧倒的です。神奈川はジモト主義なのでしょうか。地元出身者が少ないチームは何となく外国人比率が高いようにも見えます。助っ人なのでしょうね。
おしまい