患者の数と入院のはなし

 厚生労働省の患者調査(平成26年・2014年)によると、入院や外来で病院・診療所に係っている患者の数は人口10万人当り 6,734人(100人中6.7人)。そして、入院期間の平均は32日ぐらいだそうです。「患者調査」にはいろいろなデータがあるのですが、「受療率」と「入院期間」のデータを拾って調べてみました。

患者の数・受療率
患者調査  「受療率」とは、『推計患者数を人口10万対であらわした数である。受療率(人口10 万対)=推計患者数/推計人口×100,000』と説明がありました。(要は人口対比の%を1000倍したものです)
 右の円グラフは疾患別の推計患者数(受療率)の比率です。比率の多い順番では、消化器系・循環器系・筋骨格系及び結合組織の疾患・・と続きます。「筋骨格系及び結合組織の疾患」とは骨粗しょう症とかリウマチとかの病気のようです。全体の5%を占める「新生物」は所謂「腫瘍」で『異常な組織の塊のうち、細胞分裂が過剰に起こったり、本来死滅すべき細胞が死滅しなかったりするもの』で良性(非がん性)の場合もあれば、悪性(がん性)の場合もあるとの事です。因みに悪性の新生物(癌)の受療率は237人(0.237%)です。
 患者調査では、受療率の他にも「推定患者数」が掲載されています。全国で(推定)入院患者は132万人、外来患者は724万人だそうです。傷病別にみると(入院+外来)高血圧性疾患が173万人、悪性新生物163万人、気になるところではアルツハイマー病は53万人です。詳しくはこちら

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都道府県別の患者数(受療率)

 都道府県別にどんな病気が多いか?を表にしてみました。受療率の高い順に全国順位(1~47)を付けいるのでその都道府県の特色が分かるかと思います。
 都道府県を選択してください



 上の表とは逆に傷病別(入院・外来別、病院・診療所別)をキーにして地図に書いてみました。赤の濃いところが受療率の高いところです。マウスを乗せるとデータが表示されます。
  傷病分類・詳細傷病・入院外来別等を選択してください
 傷病合計の受療率を見ると九州・四国が高いようです。(一番低いのは沖縄県)当然のことですが、一人当りの医療費も九州・四国は高く、高い相関(相関係数:0.83)を示しています。

  


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入院の日数

 冒頭で入院期間の平均は32日ぐらいと書きましたが、あくまでも「平均」です。中には何年も入院している方もおられるようです。3割ぐらいの患者さんは2週間以内に退院(うち2割強は1週間以内)です。長期入院のイメージがある新生物もほとんどが2週間以内です。健康診断などでの早期発見などが功を奏しているせいでしょうか?入院期間1年以上は3割弱で、疾患別で5割を超えるは、ほとんどが脳性麻痺などの神経系の疾患と知的障害などの精神及び行動の障害です。(感染症及び寄生虫症の続発・後遺症もその5割が入院期間1年以上です)

「0~7日」から「10年以上」(含不詳)までを100とした場合の比率を横棒グラフにしてみました。↓の 傷病分類を選択してください


【傷病合計】の入院日数
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退院の事由

 退院したから「もう、直った!」かと思うとそうでもない場合があります。傷病全体では「良くなって(軽快)」退院するのが7割、「完治」して退院するのは6%です。病状が「かわらない(不変)」も7%ほど。「死亡」で退院するのは5%だそうです。

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 因みに死亡して退院する比率が高いのは気管支/肺がん・肺炎など胸の病気が多いようです。
以下は死亡退院する比率順に並べた表です。


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おしまい